おむつ外し・トイレトレーニングの考え方

排泄の関わり方(発達段階と注意点を踏まえて)

排泄ケアは、単に衛生面を保つだけでなく、子どもの心身の発達に深く関わる大切な関わりです。

特にトイレトレーニング(排泄の自立)については、子どもの排尿機能の発達段階を理解し、焦らず、個々のペースに合わせて進めることが極めて重要です。

0歳児~:安心感の中で心地よさを知る時期

この時期は、おむつ交換を通して、清潔になる心地よさや、保育士との一対一の丁寧な関わりによる安心感を育むことが中心です。

  • 「おむつ替えようね」と優しく言葉をかけてから、子どもの表情や反応を見て、安心できるように抱き上げます。手を伸ばせる子には、保育士が手を差し出し、子どもが握ってくるのを待ち、その意思を尊重します。
  • 急に寝かせるのではなく、体を支えながら子どもの反応に合わせてゆっくりと仰向けにします。
  • 新しいおむつを傍らに用意してから、ズボンを脱がせ、おむつを外します。腰を無理に持ち上げず、もし上がらない場合は、足首ではなくお尻全体を優しく支えて少し浮かせます。腹筋が発達してくると、自分で腰を上げようとする動きが見られます。
  • 一人歩きができるようになった子は、保育士の肩や壁に手をついて、立った姿勢でおむつ交換をすることもあります。子どもの安定性や意欲に合わせて行います。
  • 大便や皮膚のかぶれがある場合は、おしりふき(または微温湯を含ませたコットンなど)で、皮膚をこすらないように優しく拭き取ります。特に女の子は、感染症予防のため、必ず前から後ろ(尿道から肛門の方向)へ拭き、拭き残しがないか丁寧に確認します。※必要に応じて使い捨てビニール手袋を使用します。
  • 新しいおむつをあてます。腰を上げるように優しく促し、難しい場合はお尻を支えて腰を上げます。
  • おむつ交換が終わったら、保育士は必ず石鹸で手を洗い、必要に応じてアルコール消毒を行います。
  • 自分で起き上がれない子には、頭と両肩、腰をしっかりと支え、ゆっくりと抱き起こしてあげます。
  • 自分で起き上がれる子には、保育士の親指などを握らせ、「よいしょ」などと声をかけながら、子ども自身の力(腹筋など)で起き上がるのを促します。子どもが自ら起き上がろうとする動きを感じ取り、それをサポートすることが大切です。

1歳半頃~:意欲を認めつつ、焦らず見守る時期

この時期は、言葉の理解が進み、「自分でやりたい」という意欲が芽生え始めますが、排泄機能はまだ未熟な段階です。トイレトレーニングを急ぐ時期ではありません。

「おむつ替えようね」と声をかけると、ズボンに手をかけて自分で脱ごうとしたり、履こうとしたりする意欲が見られるようになります。こうした子どもの意欲を認め、「ズボン脱ごうとしてるね、ありがとう」「自分で履こうとしてるんだね」など、その行動を言葉で伝え、協力してくれたことへの感謝(「ありがとう」)を伝えます。

トイレに慣れることについて

子どもがトイレに興味を示したり、「おしっこ」などの言葉で排泄を伝えようとしたり、排尿の間隔が少しずつ空いてくる(例:2時間程度)などのサインが見られたら、それは子どもの成長の証です。しかし、これが本格的なトイレトレーニング開始の合図ではありません。この時期の子どもはまだ膀胱機能が未熟で、反射的に、またお腹に力を入れて排尿している段階です。

無理のない範囲で、「トイレに行ってみる?」「おまるに座ってみる?」と誘い、トイレという場所に慣れる機会を作るのは良いですが、座らせて排尿を強制することは絶対に避けます。早すぎる時期に排尿を強制すると、尿意をうまく感じ取れなくなったり、間違った排尿習慣(常に力むなど)が身についたり、将来的に頻尿や尿失禁などの問題につながる可能性があることが指摘されています。

あくまで「トイレに慣れる」「座る練習をする」という程度に留め、もし偶然トイレで排泄できたら、「おしっこ出たね!」とその事実を伝え、たくさん褒めてあげましょう。できなくても決して叱ったり、がっかりした様子を見せたりしないことが重要です。

家庭とは、トレーニングの進捗ではなく、子どもの排泄の様子(間隔、知らせる素振りなど)やトイレへの関心について情報共有し、焦らず見守る姿勢を共有することが大切です。「トイレトレーニング」と「トレーニングパンツの使用」はイコールではありません。

  • もしトイレで排尿できた場合、水を流すことに興味を示せば一緒にレバーを操作したり、大人が流す様子を見せたりします。
  • おむつ交換後、椅子などに座って新しいおむつやズボンを履く際に、「自分で履いてみる?」と声をかけ、子どもが自分でできたという達成感を味わえるように、ボタンを留めるのを手伝うなど、必要な部分だけ援助します。「自分で履けたね!すごいね!」とその頑張りを具体的に認め、褒めます。
ためるとき・出すときの膀胱と神経の働きの図
図1 おしっこを「ためる」ときと「出す」とき
赤ちゃんは反射で排尿し、成長すると脳がコントロールするようになることを示した図
図2 反射による排尿と、脳によるコントロール

2歳半頃~:排尿機能の成熟を待ち、生活習慣を伝える時期

この時期になると、膀胱の機能が徐々に成熟し始め、尿意を感じたり、ある程度おしっこを溜められるようになったりする子が増えてきます。しかし個人差が非常に大きいため、引き続き焦りは禁物です。排泄の自立(おむつ外し)は、排尿機能の成熟を待ってから、という視点を持ち続けます。

  • トイレに行く際、便器の前で自分でズボンやパンツを足首まで下ろすように促します。難しい場合は手伝います。

トイレでの手順を覚える(本来のトイレトレーニング)

  • トイレットペーパーを適切な長さで切り取り、自分で拭く練習を始めます。保育士が「これくらいかな?」と長さを示したり、使い方を言葉と実際の動きで見せたりします。
  • 特に女児の場合は、排尿後も前から後ろに拭くことを丁寧に伝え、感染症を予防します。最初は保育士が拭いてあげ、その後、自分でもやってみるように促します。

トレーニングパンツへの移行について

膀胱に尿をある程度溜められるようになり、日中、紙おむつが長時間濡れない時間が増えてくる(例えば、午前中1枚のおむつで過ごせる、など)のが、排尿機能が成熟してきた一つの大切なサインです。

個人差は大きいですが、一般的に3歳頃を目安に、このような様子が見られ、かつ子ども自身もトイレでの排泄に意欲を示している場合に、家庭と十分に連携を取りながら、トレーニングパンツへの移行を検討し始めます。

あくまで目安であり、「〇歳になったから」という理由だけで移行するものではありません。子どもの準備が整っていない段階での移行は、失敗体験が多くなり、子どもの意欲を削いでしまう可能性があります。無理強いはせず、子どもの心と体の準備が整うのを待ちます。

参考資料

この内容は、のいちご保育園の保育マニュアルです。

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